エアストリームを再生する話・その6
年が明けました。
今年もよろしくお願いします。
年末年始と曜日の都合で例年よりも一般企業は休みが長くなり、夫の会社もありがたいことに九日間の休日をいただけました。私は接客業なので勤務がありましたが。
休みが長ければその分レストアに時間を費やすことができます。
エアストリームの構造
エアストリームはアルミ板を曲げて作った空間に鉄骨で造られたフレームが敷かれ、その上に床板、その下に車輪の軸が付いています。
我が家のエアストリームは床板が腐ってしまっていたので剥がしましたが、(エアストリームを再生する話・その2参照)実はこの時に壁までは剥がしていませんでした。
壁の中の断熱材も交換し、タイヤハウスも錆が酷いので板金しなければいけないので壁も取り外します。
ここでエアストリームの構造を分かっていないと大変なことになります。
壁を剥がし、床板も剥がれていると天井が落ちてしまうのです。
フレームの上に乗っている床板が基準となって壁が取り付けられているので、取り外してしまうと支えがなくなり落ちてしまうのです。
そこでつっかえ棒を取り付けて落ちないようにします。
これで大丈夫です。
壁まで元通りにしてからこれは外す予定です。
錆との戦い
レストアラーとしては台数はこなしていませんが、古い車を乗る人間としては錆をどうするか?は永遠の課題です。
錆は放っておくと外観だけではなく、動作にまで影響し、最悪事故の危険性まで出てくる物です。
これから長く使う予定でもあるので完璧に錆を落とし、発生しにくくすることにしました。
このエアストリームは雨が中にまで入った事によるフレームの錆と、走行時にどうしてもついてしまう泥によってタイヤハウスの錆がとても酷い状態です。
フレームはやや頑丈な鉄骨でできているのでグラインダーと金属ブラシで錆を落とし、錆を化学反応で抑える塗料を塗ります。錆転換塗料という物です。
塗ると錆の残っている場所は化学反応を起こし、赤錆から黒錆に変わって更に塗料により空気を遮断されるために錆の進行がなくなるというものです。
一日乾かしてから別の防錆塗料を仕上げ塗りしました。より空気の侵入を防ぎます。
ボディがシルバーなので内部もシルバーにしてあります。
壁の黒い塗料はPORという空気を全く通さない防錆塗料を塗っています。
このPORですが、乾くと艶が出て見栄えがとてもいいです。ですが、その代わり上から別の塗料が乗りません。なので見えないところに塗るか、逆に、見えるけど黒でも問題ないところに塗るようにしています。
実は以前にフェアレディZをレストアしたときにこの塗料を使ったのですが、上記の理由の他に値段が高いというのがあり沢山使えなかった苦い思い出があります。今でも他の防錆塗料と比べると高いようです。
要所要所で使い分ければいいので今回はこの使い方にしています。
タイヤハウスの補修
タイヤハウスも距離を走った泥と長年放置されていたことにより錆が進んでいます。
この部分はどうしても部屋の中に見える物なので綺麗に直っていないと見栄えが悪いです。何かで隠すにしても綺麗に直っていた方が都合がいいですし。
ある程度錆を落とし、別に作っておいた鉄板を当てて溶接します。
仕上げに錆止め塗料を塗って完成です。
ウレタンフォームの敷き詰め
錆との戦いばかりですと気が滅入ると共に完成までの道のりがとても長く感じます。
気分を変えるためにも完成に近い形に舵を取るときもあります。
半分ずつ進めているので、床にウレタンフォームを敷き床板の仮組みまでしてみます。
後ろ側はベッドやシャワールーム、トイレなどがあった都合上フレームの組み方が細かく、詰めるのは手間ですが足場が多くて作業はしやすいです。
綺麗に敷き詰められました。
この上から防水加工がされたベニヤ板を敷きます。
型取りは段ボールで型取りしベニヤ板に線を引いてジグソーでカットします。
床板なので厚みは18mmの物を使ってます。とても重く、息子たちに手伝ってもらいながら作業です。
フロント側の加工
これまで作業していたのはリヤ(後ろ)側でした。ある程度目処が付いてきたのと、休日が残り少なくなってきたのでフロント(前)側の加工に移ります。
フロント側はフレームの骨組みの幅が広く、剛性に不安があったので骨を溶接で継ぎ足します。
ついでと言うよりも溶接機を使う作業なのでステップも修理します。
実はこのステップ、足をかけるとぐらついてとれる予感しかしない物でした。
このぐらつきの原因が向かって右側のサイドレール下が錆によって破損していたからなのです。このステップはレールに沿ってスライドしてステップがボディ内に収まるようにできています。恐らく出しっぱなしにしているうちに錆びてしまって片方のレールが破損してしまったのでしょう。
この部分を鉄アングルを溶接で繋いでグラインダーでならし、後で錆止めを塗ります。
これで足を乗せてもぐらつかず、ステップも内部に収まるようになりました。
ただ、収まったときにかかるストッパーが上手く働いていなかったので、そこは取り除き、別のストッパーを考えて取り付ける予定です。
この部分も錆転換塗料を塗ります。
その後、更に別の錆止めを上塗りします。
床板の仮組み
フロント側も床板を型取りしてカットしておきます。
エアストリーム内も少し機密性が上がったのでストーブを焚いて作業します。この日は雪がチラつく寒い日でしたが、ストーブのおかげで暖かく作業ができました。
暗くて見えにくいですが、床板はある程度カットが終わりました。
今回の休みで大幅に作業が進みました。
農作業がない間は休日のかなりの時間を作業に充てられるので、次にブログを更新する時にはまた大きく変わっているかもしれません。
可能な限り更新しますので今年もお付き合いくださいませ。